毛皮のエロス ダイアン･アーバス 幻想のポートレイト

裕福な家庭で育ったダイアン・アーバスは、育児と家事をしながら、夫である写真家アランのアシスタントとして仕事を手伝っている。ある日、ダイアンたちが暮らすアパートの上の階に、謎の男ライオネルが引っ越してきた。夏だというのにスキー帽をかぶった男。ダイアンは、彼の姿に興味を持ち、その姿を写真に収めたいという欲望が沸き起こった。そこで、思いきってライオネルの部屋を訪ねた。ライオネルは、全身が動物のように毛で覆われている全毛症だった。それを知ったダイアンは、彼の堂々と逞しく生きる姿に激しく惹きつけられるのだった。裕福な家庭、良き夫と娘たちに恵まれ、全て満足に生きていたダイアンだったが、幸せすぎる日常に飽き、また自分を掻き立ててくれる何かを求めていた。肺の病気に冒され始めていたライオネルは、本来の自分の姿をダイアンに見せようと決意する。そして、自分の全身の毛を剃り落として欲しいとダイアンに頼むのであった。